STEP2. 現地調査
現地踏査
お客様のご要望に即した地盤情報を提供するために、 低コストで最適な調査・試験方法を提案し、 基礎データを収集します。
現地調査のうち地表面の地形や地質を調べる作業を地表踏査とか地表(地形)地質調査と言います。 地形調査は、土地の傾斜度や凹凸などの形状・植生分布・植生異常や土地利用状況・人工的な改変の有無、崖や斜面に堆積している土砂・岩石の状態などを調査します。
ルートマップ
模式断面図
地質調査では、地表面を構成する地層の種類や分布状態などを確認します。現地踏査で確認できた事項は、 現地でルートマップ・見取り図・模式断面図・露頭写真などとして記録しておくと、室内でのとりまとめが効率化できます。
露頭記録写真
ボーリング調査
ボーリング調査の目的は、地盤の地層構成の把握と地下水位の確認及び試料採取が主なものです。 ボーリング調査に併せ、1m毎に標準貫入試験を行うことで、地盤の硬軟を判断します。 また、掘削されたボーリング孔を利用して孔内試験や透水試験などを行い、 詳細な地質・地下水情報を把握します。 詳細な地盤構成を目的とする場合は、ミスト(泡)ボーリングや低水量でのボーリング方法を採用し、 コアの採取率を高めます。 土壌汚染調査では、有害物質の拡散を防ぐため水を使用しないバイブロ式や打撃式のボーリングを行います。
ボーリング調査(宅地・農地・斜面・水上)
簡易ボーリングマシンによる掘削状況
高品質コア採取
原位置試験
原位置とは調査対象とする地表またはボーリング孔などで、対象地盤の性質を直接調べるための調査や試験のことです。 原位置試験には標準貫入試験、スウェーデ ン式サウンディング試験、物理探査、地盤の平板載荷試験、 ボーリング孔を利用した孔内載荷試験、現場透水試験、揚水試験など多くの試験があります。 原位置で試験が実施できるため、土質試料を採取し室内で土質試験を実施する方法と比較して、 拘束圧やサンプリングの乱れ等の影響を受けない生のデータが得られます。
標準貫入試験
標準貫入試験は JIS A 1219「土の標準貫入試験方法」に基づき、地盤の締まり具合やその硬軟及び土質構成を把握することを目的として行います。 標準貫入試験は通常深度 1m 毎に、掘削したボーリング孔の孔底に標準貫入試験用のサンプラーを降ろし、 ハンマー(重量 63.5±0.5kg)を76±1cm の 高さから自由落下させ、地盤中に30cm貫入するのに必要な打撃回数(N値)を計測するものです。
孔内載荷試験
孔内載荷試験はJGS1421「地盤工学会:地盤調査法」に基づき、ボーリング孔内で孔壁を水平方向に押し拡げる際の地盤の抵抗を測定し、 載荷応力と孔壁の変位との関係から地盤の変形特性を把握することを目的としています。 孔壁の載荷にはゴムチューブ製のゾンデ(測定管)を用い、高圧ガスや高圧ポンプにより圧力水をゾンデへ送り、 ゾンデを加圧膨張させます。この時の圧力とゾンデの体積変化との関係から地盤の変形係数を求めるものです。
PS検層
PS検層はボーリング孔を用いて地盤中を伝播するP波とS波の伝搬速度を求める調査法です。 測定によって求められたP波・S波速度の分布状況から地盤の層区分を行い、耐震設計に必要な各層の強度や動的な地盤特性を知ることができます。
ダウンホール式PS検層(P波測定)
ダウンホール式PS検層(S波測定)
サスペンション式PS検層
孔内観察
ボーリング孔内に360°展開画像を撮影できるカメラを挿入・撮影し調査を行います。 取得画像から岩盤内に存在する不連続面の分布状況を観察し、亀裂の有無や方向を測定します。